誰も寝てはならぬ(トゥーランドット)

プッチーニの遺作「トゥーランドット」
アイススケーター荒川静香選手の名演技で一躍世に知られるようになったこの「誰も寝てはならぬ」は、絶世の美女トゥーランドット姫を我がものにしようとする意気込みを、流浪の王子カラフが情熱的に歌い上げるアリア。

Puccini / Turandot : Nessun dorma!
誰も寝てはならぬ(カラフ:トゥーランドット)

Caraf:
Nessun dorma!… Nessun dorma!…
誰も寝てはならぬ! 誰も寝てはならぬ!
Tu pura, o Principessa,
おう姫君よあなたもまた
Nella tua fredda stanza guardi le stelle
あなたの冷たい部屋に
Che tremanno d’amore e di speranza!
愛と望みに震えていらっしゃる。星を眺めていらっしゃる!
Ma il mio mistero e chiuso in me.
然し私の秘密は、私の中に秘められている
Il nome mio nessun sapra!
誰も私の名前を知らないだろう!
No, no, sulla tua bocca lo diro,
いや、私は、朝日が輝きそめた時
Quandro la luce spiendera!
あなたの唇の上にそれを告げるだろう!
Ed il mio bacio scigliera il silenzio
そして私のくちづけは、あなたを私のものにし
Che ti fa mia!
その沈黙を破るだろう!

Coro:
Il nome suo nessun sapra,
誰も彼の名前を知らないでしょう…
E noi dovrem, ahime, morir, morir!
そして、ああ、私達は死ななければならないのです。

Caraf:
Dilegua, o notte! … tramontate stelle!
おお、夜よ、消え去れ!… 星よ、沈め!
All’alba vincero
夜があけると、私は勝つだろう!

(訳:鈴木松子)

ある晴れた日に (蝶々夫人)

プッチーニのオペラ「蝶々夫人」の第2幕第1場で蝶々さんが歌うアリア。
20世紀はじめの長崎を舞台に、没落藩士令嬢の蝶々さんとアメリカ海軍士官ピンカートンとの恋愛の悲劇を描くプッチーニのオペラ。
蝶々さんは3年間じっと夫ピンカートンがアメリカから帰ってくるのを待っている。ピンカートンの帰りに疑問を抱くお手伝いさんのスズキに蝶々さんは「必ず帰ってくる」と断言し、夫の帰りを夢見る。

Puccini / Madam Butterfly : Un bel di, vedremo
ある晴れた日に~プッチーニ:オペラ「蝶々夫人」

Un bel di, vedremo
ある晴れた日に
Levarsi un fil di fumo sull’ estremo
遠い水平線のむこうに
Confin del mare,
煙がひとすじ
E poi la nave appare
やがて軍艦の姿が
Poi la nave bianca.
それは白いふねよ
Entra nel porto, romba il suo saluto.
まもなく港に入って、礼砲がきこえるわ
Vedi? E venuto!
ほら、ごらん? あのかたよ!
lo non gli scendo incontro, lo no.
でも私はお迎えにいかないで
Mi metto la sul ciglio del colle e aspetto,
丘のふもとで、あのかたを待つのよ
E aspetto gran tempo e non mi pesa,
いくら長く待たされても
La lunga attesa,
私は平気だわ
E…… uscito dalla folla cittadina
ほら…町の人々のあいだから
Un uomo, un picciol punto
ひとりの姿が、小さな豆粒みたいに
S’avvia per la collina.
丘のほうへやってくる
Chi sara? Chi sara?
誰でしょう? 誰でしょう?
E come sara giunto
どうやって入っていらっしゃるかしら
Che dira? Che dira?
なんとお呼びでしょう? なんと?
Chiamera, Butterfly dalla lontana.
遠くのほうから蝶々さんって呼んで下さるわ
lo senza dar risposa me ne staro nascosta
私は返事をしないで、かくれましょう
Un po’per celia, un po’per non morire
お会いしたとき、死んでしまわぬように
Al primo incontro, ed egli alquanto in pena
あのかた、すこしばかり心配で
Chiamera, chiamera,
探すわよ、探すわよ。
“Piccina-mogliettina,
「可愛いひと いとしいお前
Olezzo di verbena,”
オレンジの花みたいな人よ」って
I nomi che mi dava al suo venire.
あのかたが、昔によくお呼びだったように
(スズキに)
Tutto questo avverra, te lo prometto.
きっと、こういう時が来るわ
Tienti la tua paura,
だから心配しないでね
lo con sicura fedo l’aspetto.
私、あのかたを信じて待っているのよ

(訳:小林利之)